ドライバー健康データと運転データの相関分析による共同研究型実証

東京海上スマートモビリティ/東京海上日動火災保険は、西濃運輸・福山通運とともに、ドライバーの健康管理データとデジタコ運転データの相関を検証する共同研究を開始しました。MIMAMO WELLNESSの活用で健康起因リスクの早期把握と、現場オペレーションと連動した予防型の安全運行モデル確立に挑みます。

2025年10月、東京海上スマートモビリティ株式会社および東京海上日動火災保険株式会社は、西濃運輸株式会社・福山通運株式会社とそれぞれ共同で、ドライバーの健康管理データとデジタコ(デジタルタコグラフ)データの相関分析に関する2件の共同研究契約を締結しました。

本取組は物流コンソーシアムbatonのドライバーマネジメント分科会(支えるWKG)の枠組みで実施し、東京海上スマートモビリティ社が提供する、AIと非接触バイタルセンシング技術を活用した「MIMAMO WELLNESS(ミマモウェルネス)」にて健康管理を実施。日々の健康状態を定量的に可視化し、デジタコで取得可能な運転挙動データを用いて、東京海上グループのデータ分析ノウハウによる相関分析を行い、現場のオペレーションと連携した予防型の安全運行管理実現による業界の事故リスク低減を目指します。

共同研究の背景

輸送力不足は構造的に深刻化

政府試算では、対策を講じない場合に2024年度で約14%(約4億トン相当)、2030年度で約34%(約9億トン相当)の輸送力不足に陥る可能性が示されています。民間推計でも2030年には2015年比で全国の約35%の貨物が運べなくなるとの見立てで、東北・四国では40%超の懸念が指摘されています。

担い手の高齢化進行

物流コンソーシアムbatonで実施したドライバー向けアンケート「Driver’s Voice 2025」でも約半数が50代以上となっており、年々ドライバーの高齢化が進行しています。相対的に健康起因での事リスクも高まっており、健康管理の高度化を通じて健康就労寿命延伸を図ることが必要です。

眠気・疲労・注意散漫は“頻度は低くても重大な事故リスク”

交通事故統計の分析では、居眠り事故の発生割合は1%未満と低い一方、死亡・重傷率は他要因事故より高いことが確認されています。時間帯別では4~5時台で約5%、12~16時台で約2%を占め、深夜~早朝や昼過ぎにピークが見られます。加えて、死亡事故の法令違反別では安全運転義務違反(漫然運転・脇見・安全不確認など)が約半数を占め、疲労・不注意型のリスク管理の重要性が示唆されます。

法定健診だけでは“その日の状態”を捉えきれない

事業者には定期健康診断が義務付けられていますが、直近の睡眠不足・疲労・注意力の低下など、日々変化する健康状態はカバーしきれません。国交省の健康管理マニュアルでも、定期健診に加えて日常の状態把握と運行上の配慮・指示の必要性が明記されています。

共同研究概要

  • 実施期間: 2025年10月〜2026年3月 *必要に応じて延長の可能性あり
  • 実施体制:
    物流コンソーシアム「baton」 ドライバーマネジメント分科会(支えるWKG)の枠組みで実施
  • データ収集及び分析: 東京海上スマートモビリティ社/東京海上日動火災保険社
  • 参加運送事業者: 西濃運輸株式会社、福山通運株式会社 *順次拡大予定
  • 参加ドライバー数: 約200名 *順次拡大予定
  • 健康管理データ: 「MIMAMO WELLNESS」による日次の健康定量データ
  • 運転データ: デジタコ(デジタルタコグラフ)の運行・挙動データ
    (速度プロファイル、急加減速、連続運転時間、休憩取得 等)

MIMAMO WELLNESS(ミマモウェルネス)について

ミマモウェルネスは、AIと非接触バイタルセンシング技術を用いて約10秒でドライバーの状態を可視化し、点呼と一体で“その日のコンディション”を客観的に把握できる健康管理ソリューションです。計測はタブレットを見つめるだけで、脈拍・呼吸数に基づき、疲労度・注意力・ストレスを4段階で算出。結果はその場で表示・アラート化され、管理画面にリアルタイム反映されます。本ソリューションは、経済産業省 ヘルスケア産業課が推進する健康経営推進検討会(2025年3月開催)にて好取組事例として紹介されています。

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デジタコについて

デジタコは、車両に搭載して速度・走行距離・運転時間・休憩時間などを自動記録する「運行記録計(タコグラフ)」のデジタル版です。アナログ式に比べて記録の精度・保存性・検索性が高く、管理画面での可視化や分析に適します。なお、運行記録計そのものには技術基準が定められており、速度や走行距離、記録・保存機能などの要件を満たす必要があります。

なぜ装着するのか―最大の理由は安全と法令遵守、そして運行管理の高度化です。急加減速や連続運転などの実態を時系列で把握できるため、リスクの早期検知・教育・点呼の質向上につながります。国土交通省も、物流DXの中核装置としてデジタコの強力な普及促進を掲げ、運行管理の高度化と安全確保を政策的に後押ししています。

義務の範囲は車種・事業形態で異なります。事業用トラックは、車両総重量7トン以上または最大積載量4トン以上に運行記録計の装着が義務(アナログ・デジタルいずれも可)とされ、既販車は2017年3月31日までに対応が求められました。一方、貸切バスは新制度によりデジタル式の使用が必須となり、新車は2024年4月1日以降、既販車は2025年4月1日以降が対象です(運行形態が貸切契約であれば、車両形状等に関わらず義務)。

お問い合わせ

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