葛西トラックターミナル構内での「企業横断型中継輸送に向けた現場検証」を実施

2025年11月8日(土)、物流コンソーシアムbaton(事務局:東京海上スマートモビリティ株式会社)は、ドライバー交替方式による企業横断型の中継輸送の実行に向け、荷発着拠点での事業者別のオペレーション確認を行うべく、葛西トラックターミナルにて現場検証を実施しました。特積事業を展開する参画企業各社の代表者が集まり、名鉄NX運輸株式会社及びトナミ運輸株式会社の営業施設にて、ドライバーの作業内容や荷発着時のオペレーションの相違点などを確認しました。

<現場検証>

◆日時:2025年11月8日(土) AM3:00 - AM5:00
◆場所:葛西トラックターミナル(名鉄NX運輸株式会社 葛西支店 / トナミ運輸株式会社 葛西支店)
◆目的:ドライバー交替方式による企業横断型の中継輸送実証に向けた荷発着拠点での現場検証

<参加者>

◆名鉄NX運輸株式会社 東京支社 部長 田代哲也、葛西支店長 北村研二
◆トナミ運輸株式会社 執行役員 物流統括本部 運輸事業部 輸送部長 竹澤恭彦、東神主管支店 業務輸送部長代理 辻本善和
◆第一貨物株式会社 業務一部 次長 會田健一郎
◆西濃運輸株式会社 運行部 運行課 参事 近藤力幹
◆セイノーホールディングス株式会社 オープンイノベーション推進室 主査 森地直人
◆新潟運輸株式会社 運行部 次長 冨樫圭介
◆東京海上スマートモビリティ株式会社 上野雄羽、市川広大、千田洸奈、久保裕太郎、宮村黛

(現場検証に参加した参画企業の実務代表者、写真左から、西濃運輸 近藤氏、第一貨物 會田氏、名鉄NX運輸 田代氏、トナミ運輸 辻本氏、竹澤氏、新潟運輸 冨樫氏、セイノーHD森地氏、名鉄NX運輸 北村氏)

物流コンソーシアムbatonで掲げるドライバー交替方式の企業横断型中継輸送では、運行途中にトラックの荷物の積み替えを行うことなく、異なる企業に所属するドライバーが、中継地点でトラックの運転を交代し、それぞれ出発地エリアに他社のトラックを運転して戻ることで、ドライバーの労働負担の低減や日帰り勤務環境の実現による働きやすいドライバーにやさしい環境づくりを目指しています。

このドライバー交代方式の企業横断型中継輸送は、複数の企業が一つの輸送を分担するため、リスク面や運用面の整理が必要です。特に、オペレーションの観点では、車両交換時の点検ルール、ドライバーの待ち合わせ方法や遅延時の連絡、発着時の伝票の取扱い方法、イレギュラー時の対応方法とエスカレーションフロー、営業拠点での点呼ルール、デジタコデータの取扱いなど、数十の項目に関して、各社の運用方法の違いが存在しています。

企業横断型中継輸送の実行に向けては、こうしたオペレーションの違いを明確に整理した上で、統一すべきルールと各社固有の運用として維持すべきルールを分類する必要があります。

そこで、物流コンソーシアムbatonでは、全体協議会や分科会によるワーキング活動を通じて、参画企業間で中継輸送実行時のオペレーションルールの検討を重ねてきました。参画企業各社による情報開示と審議の成果として、統一ルールと固有ルールの整理にも目処が立ち、例えば、これまで各社で運用が異なっていた送り状や荷札等の取り扱い方法については共通の運用ルールの策定を行うことができました。

2025年11月8日未明、葛西トラックターミナルにおいて、物流コンソーシアムbatonの参画企業のうち特積事業者の実務代表者が集まり、名鉄NX運輸株式会社葛西支店およびトナミ運輸株式会社葛西支店にて現場視察を実施しました。

現場では、各社のドライバーによる荷役作業や伝票取扱いなどのオペレーション上の差異を確認し、これまでのコンソーシアム活動で策定したオペレーションルールが現場で十分に機能するか、また各社固有の運用との差分がどこにあるかを、実際の荷発着拠点で検証しました。

特積事業は小口配送が中心で、複数店舗での荷下ろしを前提としているため、ドライバーに荷扱い業務が集中する特性があります。一方、企業横断型の中継輸送では、各社で荷扱いや伝票処理の方法が異なるため、他社のドライバーが自社拠点でどの範囲まで作業を行うことができるかを、現場ごとに確認することが重要です。

今回の視察を通じて、実際の現場でドライバーが交替し、所属企業とは異なる拠点に帰着した際に円滑に業務を完了できるよう、より現実的なオペレーションフローの整理が進みました。

物流コンソーシアムbatonでは、2026年にも、日本初の特積業界における企業横断型中継輸送の実証を予定しています。

今回の現場検証での擦り合わせを踏まえ、現場での実運用に即したオペレーション上の取り決めをさらに明確化し、より多くの事業者が安心して参画できる仕組みづくりを進めていく計画です。

今後は、拠点の標準化や業務ルールの共通化を通じて、地方を含む中堅・中小物流事業者の参画を促し、業界全体で持続可能な中継輸送モデルの構築を目指します。

東京海上グループとしても、リスクマネジメントや保険の知見を活かし、こうした枠組み整備を支援することで、企業横断型中継輸送の社会実装に向けた取り組みを引き続き推進してまいります。

Information

私たち『物流コンソーシアム baton』の想いに
賛同いただける
企業様のご連絡をお待ちしています。

本コンソーシアムへの入会受付は、順次事務局にて対応します。
入会をご検討いただける方や、新聞・雑誌・メディアなどの取材に関しては、
お問合せフォームからお問い合わせ願います。

また、物流コンソーシアムbatonの詳細は、概要資料からご確認ください。